[HOME] - [考えるヒント] - [授産事業に求められる経営感覚に関する一考察] - [6 注]

6 注

(1) 「お金ではなく、価値こそがすべての人間の営みにおける基本的な通貨である。(中略)顧客が市場に存在する唯一の理由は、彼らが何らかの価値を求めているからにほかならない。」
バン・ミッタル『バリュースペース戦略』ダイヤモンド社 p7
(2)

「顧客に関しては多くの皮肉な見方が広まっている。「顧客はなんでも、すばやく、無料で、今すぐ求める」と主張する者や、「顧客は驚異的な製品を求めるが、その代価を払いたがらない」と非難する者がいる。一方で、マーケットリーダーの企業はもっと分別がある。彼らは、見せかけの性能しかない製品を驚異的であるとは約束しない。彼らは製品の価格が最も安いとは声高に叫ばない。そして、彼らは「素晴らしいサービスが我が社のモットーです」と誇張したスローガンを無分別に叫ぶことはしない。その代わりにマーケットリーダーは、顧客を、理性的にソリューションを求めるものとして尊重する。(中略)顧客を「何かをただで」手に入れようとしたがる者、あるいは「価値のないものに余計なお金を払う」愚直な者としてではなく、むしろ、価値を探し求めている者ととらえて尊重しているのである。」
バン・ミッタル『バリュースペース戦略』ダイヤモンド社 pp16-17

(3)

次の表は障害者支援施設の場合の支援費対象サービスについて、社会福祉法人全国社会福祉協議会・全国社会就労センター協議会「授産施設支援における費用徴収の具体的な取扱(ガイドライン)について」(全社障福第322号平成15年3月11日)、および財団法人日本知的障害者福祉協会「入所者等に求めることのできる金銭の支払いの範囲等」の解釈に関する見解と参考例(厚生労働省障害福祉課了解済)(平成15年3月18日)を筆者がまとめたものである。

区分

支援費に含まれるもの
(利用に対して別途料金がかからないもの)

支援費に含まれないもの
(利用に対して別途料金がかかるもの)

基本的な考え方

  • 徴収する金額が直接顧客の便益を向上させるものであって、当該顧客に支払いを求めることが適当であるものに限られる
  • 金銭の支払いを求める際は、当該料金の使途および額ならびに支払いを求める理由について、書面により明らかにするとともに、顧客の同意を得なければならない
  • 一律に提供し、画一的に徴収することはできない
     (一律に提供されるものは支援費に含まれる)
  • 本人の希望であること
  • 支援費支給サービスと重複しないこと
  • 曖昧な名目でないこと
  • 事前の説明と同意が必要であること(重要事項説明書として明示される)
  • 実費相当額の範囲であること
  • 運営規程上に明記(施設内に掲示)されること

授産施設

  • 身の回り品として日常生活に必要なものを施設が一律に提供する場合に係る費用(通所は日中利用分に限る)
  1. 共用の日用品費(せっけん・シャンプー・トイレットペーパー等)
  2. 日常的な洗濯代
  3. おむつ代、ふとん代
  4. 通院時の交通費
    (遠方の場合の実費を除く、入所に限る)
    ※解釈……遠方:印旛・山武福祉圏域外
  5. 通常の理美容代
    (パーマ・染め毛などは除く、入所に限る)
  • 教養娯楽として日常生活に必要なものを施設が一律に提供する場合に係る費用
  1. 共用のテレビ、新聞、雑誌等
  • 施設運営経費
  1. 管理費
  2. 備品修理代
    ※解釈……(通常の使用による自然消耗による)
  3. 冷房費、暖房費
  4. サービス提供時の事故に備えた保険料
  5. 利用者負担金支払い時の口座引き落とし手数料
  • 指定基準上、授産施設が行う業務に関する費用
  1. 施設支援支給申請援助
  2. 利用者負担額領収証の交付
  3. 施設支援費額の通知
  4. 代理受領を行わない場合のサービス提供証明書の交付
  5. 個別支援計画の作成
  6. 相談・カウンセリング、その他支援全般
  7. 自立生活のための作業指導、学習指導
    (公文式学習プリントを含む)
  8. 適切な技術をもっての指導、訓練等
  9. 入浴・清拭(入所のみ)
  10. 顧客の心身状況、嗜好を考慮した食事
    (入所は3食/日 通所は昼食のみ)
  11. 顧客全員を対象とした施設行事
  12. 行政機関への手続き代行
  13. 年2回以上の定期健康診断
    ※解釈……成人病検査・人間ドック等は対象外
    (=別途料金)
  14. 入院期間中のサービス
    (衣類届け等と週1回程度の訪問)
    ※特に表示のない場合は、入所・通所共通
  • 顧客希望により身の回り品として日常生活に必要なものを施設が提供する場合に係る費用(入所に限る)
  1. 個人的趣味、嗜好による洋服、下着などの被服費
  2. 寝具、歯ブラシ、化粧品、タオル等
  • 顧客希望により教養娯楽として日常生活に必要なものを施設が提供する場合の費用
  1. 旅行、映画鑑賞、コンサート等
    (同伴職員に係る経費を含む)
  2. クラブ活動経費(外部講師料、カラオケボックス費用等)
  3. 材料費(個人の所有となるものを含む)等
  4. 通信制高等学校の授業料等
  5. 資格取得に要する経費
  • 顧客希望により預かり金の出納管理に係る費用
    (200円/月・週1回程度の入出金)
  • 顧客希望により嗜好品・贅沢品の購入に係る費用
  1. パソコン、テレビ等電化製品
  2. 電気毛布等
  3. 上記各号の使用に伴う光熱費
  4. 収納具等
  5. 酒、たばこ
  6. 書籍・雑誌、音楽・映像ソフト等趣味に関する物品
    およびサービス
  7. 携帯電話およびその通話料等
  • 顧客希望による外出(帰宅を含む)に伴う人件費
    および交通費
  1. 顧客・引率職員の交通費
  2. ガソリン代(1kmあたり10円)
  3. 入場料
  • 人件費等(1時間あたり地域最低賃金相当額)
  • 顧客希望による特別食(追加料理)の提供
    (宅配・出前を含む)
  • 入所サービス利用の顧客については入退所時の送迎費用
  • 通所サービス利用の顧客については送迎経費
    (人件費・燃料費:利用者で等分)
  • 利用者負担金支払い時の振込手数料
  • インフルエンザ等予防接種経費
  • 外部実習時の交通費
  • 私物の外部へのクリーニング代
  • 各種証明書発行手数料(200円/通)
  • 損害賠償保険料(例:なのはな互助会18,000円/年)
    ※特に表示のない場合は、入所・通所共通
(4) 「企業の業績をアップさせるとき、最も即効力があるのは「品揃え」の充実」
小山政彦『「素頭」で1億円稼ぐ仕事塾』ビジネス社 p102
(5) 「企業が従業員のモチベーションを高めようとして、成果主義人事制度を楽観的に導入していることだ。(中略)
顧客の特性を考慮してみれば、本当は十分成果を出していることになるかもしれないのに、この方法ではそれに対して十分な評価が得られないからである。また、プロセスや努力といったものも全く無視されてしまうことになる。(中略)個人成果とその組織への貢献度のバランス、短期成果と長期成果のバランス、定量的成果と定性的成果のバランス、多様化・複雑化に対する業務内容と上司の評価能力のバランスなど、成果主義を有効に機能させるために解決しなければならない課題は山積みである。(中略)従業員のやる気を高めるつもりで企業が導入する評価制度や年俸制、目標管理制度などのルール、それ自体は決して間違いではないが、不透明であるが故にモチベーションダウンを招くことも多い。」
小笹芳央『モチベーション・マネジメント』PHP研究所 pp19-20
(6) 「客観的・科学的に設定した目標を達成したら、ごほうびとして多めの賃金を与えるという方式は、「科学的管理法」の中で「差別的出来高給制度」として100年も前に提案されたものだが、すぐに否定され、今やその存在すら経営学の教科書の中から忘れ去られようとしている」
高橋伸夫『虚妄の成果主義 日本型年功制復活のススメ』日経BP社 p14

「単純な「賃金による動機づけ」は科学的根拠のない迷信である」前掲書p17
「能率給はインセンティブ・システムとしては有効に機能しなかった」前掲書p22
「日本型人事システムの本質は、給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムなのだということである」前掲書p28
「ブルームの『仕事とモチベーション』第8章で、職務のパフォーマンスが目的達成の手段であるばかりでなく、目的そのものであることを示していると記している。つまり、個人は外的報酬とは無関係に、高いパフォーマンスからは満足を引き出し、低いパフォーマンスからは不満足を引き出すことを示唆していたのである」前掲書p32

(7)

「やる気を引き出すには、給料アップが欠かせないと主張する人がいるが、必ずしもそうとは限らない。自分の取り組みが認められている、自分の働きを上司が見守ってくれている、評価してくれていると実感できることが、やる気を引き出す重要なファクターになることは極めて多い。(中略)すばらしい成果と企業価値を生み出している企業の組織的な特徴を調べ、それらの企業は必ずしも業界の中で最も給与の高いところではなかったとの事実を示した。そのうえで、成功する企業に必要なのは、社員にチャンスを与え、成果を賞賛することであると明言している。」
久田則夫『どうすれば福祉のプロになれるか』中央法規出版 p183-184

(8)

「いろいろ工夫してみてダメだったというならまだしも、最初からお客様より自分たちの都合を優先するのが常識になっているようでは、業績が上がらなくて当然。それは、まさしく自業自得というものです」
小山政彦 前掲書 p93

(9)

「福祉サービスは、障害福祉サービスの経済的特性がもつ「情報の非対称性」「サービス利用者の経済的困難」により、障害者や家族の立場から、親切かつ有効な情報提供や相談に応じることが不可欠である。「福祉サービスが政策市場(社会市場)におかれている」ので、行政的な仕組みを十分に考慮に入れ生活支援に役立てなければならない。「福祉サービスは労働集約性が高い」ので、サービス時間の効率的活用とともに対人サービスを担う専門職へのスーパービジョンが要石となる」
京極高宣『障害を抱きしめて』東洋経済新報社 pp142-143

(10) 「頑張っても苦痛じゃないことをやればいい。それが長所進展法です。」
小山政彦 前掲書 pp25-26
(11)

「「チャレンジング・ジョプ」は、「たいへんだからこそプロとしてやりがいのあるすばらしい仕事」(中略)「プロとして問題解決や課題達成に向けてチャレンジすべき仕事」という意味がこめられていた」
久田則夫 前掲書p81

(12)

「情報セキュリティ・マネジメントとは、組織体の経営目的の達成を阻害する情報セキュリティの諸問題に組織的かつ合理的に対処するためになされる管理活動である」
井戸田博樹『情報セキュリティ・マネジメントの理論と実践』白桃書房 p1

(13) 事例に関する情報セキュリティ対策

 

対策の分類

対策の例

インターネットからの
不正アクセス

技術的対策

  1. ファイヤ・ウォールの導入
  2. 侵入検知システムの導入
  3. ファイヤ・ウォールやサーバーのセキュリティーパッチの適用
  4. ファイヤ・ウォールやサーバーの設定変更時等のテストの強化
  5. パスワード管理
  6. アクセス・ログの統計処理
  7. サーバーにインストールするプログラムの制限他

組織・制度的対策

対象:情報セキュリティ管理者、担当者

  1. 情報セキュリティ技術のスキルアップ
  2. 情報セキュリティに関する情報の入手
  3. 情報セキュリティ管理者や担当者の複数人制
  4. 保守管理手順の整備 他

ウィルス

技術的対策

  1. ウィルス対策ソフトのインストール(ウィルス・ウォールを含む)
  2. パターンファイルの更新 他

組織・制度的対策

対象:情報セキュリティ管理者、担当者、従業員、アウトソーサ社員

  1. フロッピーディスクなど外部媒体の持ち込みの制限
  2. ウィルス発生時の連絡体制の整備
  3. 情報セキュリティ教育の実施 他

大震災

技術的対策

  1. 地震検知によるオート・シャットダウン
  2. 無停電装置の導入 他

物理的対策

  1. パックアップ・サイトの設置
  2. 建物、マシン室の耐震設計
  3. サーバー、ネットワーク機器などのボルト留めや耐震ベルトの取り付け
  4. 電源などの二重化 他

組織・制度的対策

対象:CISO、情報セキュリティ管理者、担当者、従業員、アウトソーサ社員

  1. 緊急対策組織体制の整備
  2. 緊急対策マニュアルの整備
  3. 教育・訓練の実施 他
(14)

JIS規格「個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項(JIS Q15001)では、画像と音声も個人情報の対象に含まれている。

(15)

「現代型プライバシー権と呼ばれる個人の自己情報コントロール権には、国が個人の意思を無視して勝手に個人にかかわる情報を収集したり、使用したりしてはならないとする、いわば自由権(拒否権)的な性格をもった側面と、国の保有する個人情報の保有、管理などに関して個人の側がチェックできるようにすべきであるとする、いわば請求権的性格をもった側面とがある。(中略)もっとも、この請求権的性格というのは、権利の現実的な行使の方法に着目した場合の定義であって、この自己情報コントロール権全体の本質はあくまでも自由権である。というのはこの権利のもっとも本質的な部分は、国は個人情報を勝手に収集したり、利用したりしてはならないとする点にあるのであって、個人情報の開示請求権とか訂正・利用停止(あるいは抹消)請求権などの保障というのは、この権利の実効性を担保するための手段であるにすぎないからである。(中略)また、ここでの開示請求権というのは自己の情報についての確認の意味をもつにすぎず、情報公開請求の場合のように自分の知らない情報について知りたいから開示を求めるというものではない。その意味で、同じく開示請求権の保障といっても、両者は本質を異にしている。」
藤井俊夫『情報社会と法 第二版』成文堂 pp118-119

(16)

「開示請求に応じるとき請求者が本人であることの確認を誤れば、即、個人情報の漏洩につながりかねないため、確実な本人確認が非常に重要である。また、請求者が本人であるにもかかわらず開示後、請求した事実を否認し、個人情報の漏洩を騒ぎ立てる輩が現れないとも限らない。」
山崎文明『情報セキュリティと個人情報保護 完全対策改訂版』日経BP社 p91

(17)

「国際的な個人情報保護の潮流には、OECD(経済協力開発機構)の理事会で採択された「プライバシー保護と個人データの国際流通についての勧告」(1980年9月23日)が大きく影響している。」この勧告は日本を含めた各国の個人情報保護の考え方の基礎になっている。国際的な情報化が進む中で、各国の法制度に差があると各国間の情報の流通に支障をきたしてしまう。また、IT社会の進展に伴い、個人情報やプライバシーの保護に関する社会的要請が強まり、それに対して新たな法整備をする際の国際的なガイドラインとしてこれらの原則が提唱された。

(1) 収集制限の原則

個人データの収集には制限を設けること。個人データは、適法・公正な手段により、かつ情報主体に通知または同意を得て収集されるべきである。

(2) データ内容の原則

収集するデータは、利用目的に沿ったもので、かつ、正確・完全・最新に保たれるべきである。

(3) 目的明確化の原則

個人データの収集目的を明確にし、データ利用は収集目的に合致するべきである。

(4) 利用制限の原則

個人データは情報主体の同意がある場合や法律の規定による場合を除いて、収集したデータを目的以外に利用してはならない。

(5) 安全保護の原則

合理的安全保護措置により、紛失・破壊・使用・修正・開示等の危険から保護すべきである。

(6) 公開の原則

データ収集の実施方針等を公開し、データの存在、利用目的、管理者等を明示するべきである。

(7) 個人参加の原則

個人は次の権利を有している。?データ管理者が自己に関するデータを有しているか否かについて、データ管理者またはその他の者から確認を得ること。?自己に関するデータを合理的な期間内で、無償もしくは過度にならない費用で合理的かつ自己にとってわかりやすい形で自己に知らしめること。?上記の要求が拒否された場合には理由説明が行われることと異議を申し立てることができる。?自己に関するデータに対して異議を申立てることができるとともに、その異議が認められた場合、そのデータを消去、修正、完全化、補正させることができる。

(8) 責任の原則

データの管理者は上記の原則実施の責任を有する。

(18)

「障害者が実際に作業活動に従事している授産施設のなかで、特に重度障害者の授産施設で生産性が上がらない理由の多くは、そこで作業に従事する人々の障害の重度化などによるのではなく、施設長の経営能力の弱さなどによるということ」
京極高宣 前掲書 p16

(19)

「経営陣、ひいてはトップのモチベーションというのは、特にマイナスに転じたときには、それが何十倍にも増幅されて従業員に感染してしまうのです」
小山政彦 前掲書p179


HOME