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はじめに

 我が国の福祉制度が従来の延長線上にあり続けることはない。人口減少(少子高齢化)社会に直面するなか、過去30年にわたり国民の意識が、モノの豊かさよりも心の充足を大切にする「心の時代」にシフトしている。
 今年度の社会福祉法人光明会(以下「光明会」と記す。)は、これらの変化に対応して、事業の中心を「様々な能力のある方々(Different Capabilities)」に「人生に仕事がある喜び、仕事のある充実した人生(仕事道)」を創造する「人生指南」に置く。さらに「他から受け取ったものへの感謝を原動力として他に尽くし与える社会貢献」「果敢な廃棄を通じた新しい価値の創造(イノベーション)」「人間性を高める挑戦」を美しい人間としての誇りを持って実践していくために「逞しい健全性をもって徹底的に考える力を身につけがむしゃらに行動する」を基本に本経営方針を策定する。
 光明会の経営方針は、社会や制度の変遷に対応し続けてもなお、我が国の先人から受け継ぎ、それを後世に伝えるべき日本人としての本義(根本的なあり方)を守り続ける意志の表明である。

経営方針の構成

この経営方針は、ドラッカーが非営利組織の成果を上げるための方法論を示した「5つの質問」(※1)に応える構成を目指している。
 組織の目的と使命を明確にし、その目的と使命から目標を明確にし、何に集中するかの優先順位と、成果の尺度を設定し、成果に基づく自己管理の仕組みと顧客のニーズに合わなくなったものを廃棄する仕組みを構成するというものである。

5つの質問   経営方針の該当部分
われわれのミッションは何か? 光明会が事業を通じて社会に貢献したいこと、その具体的な行動のありよう 第1章 組織の使命
第2章 事業の使命
われわれの顧客は誰か? どのようなお客様を対象としているかを明確にするための国県の調査に応じるだけでなく、自ら課題を引き出す努力を怠ってはならない。障害者が幸せにしたい人こそわれわれの顧客でもある。 第2章2 私たちのお客様 
顧客にとっての価値は何か? 光明会が提供しているものではなく、お客様が得ているものがお客様の価値である。お客様は価値と感じないものにお金や時間を使わない。
お客様の価値は、光明会のミッションと一致するか。
第2章3 顧客の価値を見る眼
われわれにとっての成果は何か? お客様の喜びが成果である。売上は会社の成果ではあるが、お客様にとっての成果ではない。成果は常に組織の外部にある。成果が企業価値と働く人の頑張る理由を決定づける。
成果指標は、事業継続のための条件ではある。お客様にどれほどの役に立っているかを見ていく。これによりお客様のニーズの変化に対応することができる。どうすればもっとお客様のニーズに応えられるか、という問いがニーズの変化に対応するということである。
光明会の成果とは「様々な能力のある方が、周囲を幸せにすること。その結果、社会からなくてはならないものとして必要とされること」である。
第2章4 成果の姿
第2章5 お客様の求める価値と事業のコア・コンピテンシー
第2章6 事業の継続性とコンプライアンス
われわれの計画は何か? われわれの計画とは、明確な目標を定めて実行に移すことである。われわれの計画の目的は、組織のエネルギーと資源と時間を正しい領域に集中すること。計画立案の結果もたらされるべきものは、具体的な目標、期限、担当を含む実行計画である。 第2章7 目標値
第2章7 目標値
第3章 成果の品質保証
第3章8 光明会のキャリアデザインの本義
第3章9 廃棄
(および各事業所で立案する事業計画)

 ここで、経営理念と、ミッションと、ビジョンの3つのとらえ方を整理しておく(※2)
 経営理念とは、光明会の社会に対する根本的な考え、想いのことである。
 ミッションとは、光明会が事業を通じて社会に貢献したいこと、その具体的な行動のありようである。
 ビジョンとは、光明会のミッション・使命が実現したときの状態、実践のよりよき結果の姿である。光明会職員一人ひとりの、ビジョンの実現への貢献度合いを評価する仕組みの導入を追求していく。

経営理念 この世の誰もがなくてはならない存在であることに基づき、周りの人々と力を合わせて自らの役割を果たす社会
→障害者であっても社会になくてはならない役割がある以上、その役割を認め合う社会
ミッション・使命 様々な能力のある方々の社会的貢献と利他的活躍の機会と場を創造する
→障害者が働いて他人の幸せに貢献することの促進
そのための信念:障害者の社会貢献力、社会に対する価値の提供力は、信頼に足り、不可欠でもある。
ビジョン だれもがこの世に生まれてきた役割に基づきその成果を求めて利他的行動に尽くす世の中

 第1章で組織(光明会)の使命を整理し、第2章で光明会が実施する事業の使命とその成果の姿等について整理するが、その成果を保証するものを追求したものをまとめたのが第3章である。

(※1ドラッカーは非営利組織の成果を上げるための指針を「5つの質問」を通じて導くことを示した。)

われわれのミッションは何か?

  • われわれは何を実現しようとしているか?
  • 目的は何か、何のためのものか、われわれは何をもって憶えられたいか?
  • 特筆すべき新しい問題と機会は何か?
  • ミッションは再検討すべきか?

われわれの顧客は誰か?

※組織の活動とその提供するものに価値を見出す人たち

  • われわれの顧客は誰と誰か?
  • われわれの顧客は変化したか?
  • 顧客を増やすか減らすか?

顧客にとっての価値は何か?

※顧客はみな正しい。必ず、直接答えを得なければならない。

  • われわれの顧客は何を価値としているか?
  • 顧客の望みに応えることのできるわれわれの能力は何か?

われわれにとっての成果は何か?

※組織の外の世界に現れる。資源を投ずることを正当化できるだけの成果を生み出しているか
※いかに世の中を変えたかによってわれわれは憶えられる

  • われわれにとっての成果をどのように定義するか?
  • 成果はどの程度実現しているか?
  • 資源を活用しているか?

われわれの計画は何か?

※明日のゴールと今日の行動、意図を行動に変えるもの
※計画における5つの要素……廃棄、集中、イノベーション、リスク、分析

  • 「5つの質問」を考えることにより何を学んだか?
  • 活動の焦点はどこに合わせたらよいか?
  • 活動の方法はどのように変えるか?
  • 成果をあげるための計画は何か?
  • 自らが成果をあげるための計画は何か?

ドラッカー『経営者に贈る5つの質問』上田惇生訳 ダイヤモンド社 2009

(※2 山下淳一郎『ドラッカー5つの質問』あさ出版 2017.12、國定克則『究極のドラッカー』角川oneテーマ21 2011.11)