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2011年度社会福祉法人光明会経営方針

はじめに

 従来の、いわゆる官主導型制度の「支援費制度」「障害者自立支援法」に代わって、平成25年8月以降は「障がい者総合福祉法(仮称)」を我が国の福祉制度の基本的枠組みとすべく、平成22年1月以降、障害当事者中心の議論が障がい者制度改革推進会議で進められてきた。
 障がい者総合福祉法の整備に当たっては、障害者権利条約批准のための国内法整備や障害者の労働権保障に関するILO提訴に対する勧告・回答との調整などがその前提にあり「障害者基本法」の改正がそれに先立って行われることになる。平成23年3月、障がい者制度改革推進本部(本部長・菅首相)を開き、障害者基本法の「改正」案を大筋で了承し通常国会に提出する方針だが、この改正案には推進会議の意見(昨年12月にとりまとめられた「第2次意見」)がほとんど反映されていない。
 折しも3月11日に発生した「東北・関東大震災」は、原子力発電所の事故まで巻き起こすという世界に未曾有の災禍をもたらした。今後の復旧・復興に向けての道筋の中で「障害者福祉」がどう位置づけられることになるのか混沌としている。
 このように将来が不確定な情況を見据えて、今年度の光明会経営方針策定に当たっては、従来の法人
理念を踏襲し障害者の就職支援を中心に置く体制を維持しつつ、昨年来取り組んできた工賃アップに取り組む方針に代えて新たに「社会貢献活動・感謝活動」を明確に位置づけるものとする。
 社会福祉法人光明会は、平成18年10月「知的障害者授産施設・明朗塾」を障害者自立支援法の事業「障害者支援施設・就職するなら明朗塾」へ移行させた。平成20年4月「障害者就業・生活支援センター 就職するなら明朗塾」を事業受託開始した。また平成22年4月「障害福祉サービス事業所・就職するなら明朗アカデミー」を開設した。さらに平成23年度以降も事業所の拡大・展開を目指すこととしている。法律の理念と障害者の思いをつなぐ福祉サービス事業者としての使命に基づき常に時代の先端を走り続けたいという思いからである。そしてその思いは施設職員の個性に基づく能力が最大限に発揮される中で具現化すると確信する。
 人間にとって「就職」は人生における幸福実現の一つの手段に過ぎない。また人生の充実、幸福感は「会社で働くこと」ひとつだけでは得られない。会社で働くことと合わせて周辺サービスをトータルに提供しなくては安心できる人生の楽しみを伝えられない(この場合、必ずしも当法人ですべてのサービス提供を独占しようとする意図ではない。むしろサービスネットワークを組織することを目指す)。
また障害者にとって労働者として働くことの権利義務がどのように保障されるべきか、という課題に真摯に向き合い、従来の考え方に縛られない斬新な支援のあり方を追求しなくてはならない。
 社会貢献活動・感謝活動を当法人の中心に据えるのは、社会人として、大人として、人として大切なものが、経済的自立のための就職よりも別にあるという思いである。他人(特に将来を担う世代)のために身も心も尽くすことができることに素直に感謝する行動なくして、人は幸せを得られないであろう。
人生の喜びをお客様に伝道したいという使命の根源には、喜びを伝えられたお客様と、終生の絆を結びたいという願いがある。お客様が「社会福祉法人光明会」「就職するなら明朗塾」「就職するなら明朗アカデミー」と出会って幸福になること、そして自らそのサービスを利用し続けたい、法人職員と人と人との関係を持ち続けたいと心から願い続けるようになること、このことこそ私たちが最終的に求めるお客様の姿である。

品質方針

社会福祉法人光明会は、すべての人の存在が必要・必然・最善とされる福祉社会の実現に向けて

  • 障害とその支援を科学的に理解し実践することを追究し、顧客の力を信頼し引き出します
  • 他のために、将来のために主体的に社会貢献活動に従事できることに素直に感謝します
  • 顧客のプライバシーを守り顧客の権利を擁護しその可能性を絶対的に信頼します
  • 顧客が働くことで自立した人生を設計する支援を常に新規開発しながら提供し続けます
  • 法規制等を遵守し、顧客自身が自らの可能性を承認される安心で安全な環境を提供します
  • 職員が常に主体的に研修に取り組むことで支援業務を向上させる職場環境を保証します
  • 地球環境への負荷の低減に取り組みます

さらに、要求事項への適合、品質マネジメントシステムの有効性の継続的改善を行います

(社会福祉法人光明会品質マニュアル)

 社会福祉法人光明会は、障害者自立支援法(や障がい者総合福祉法)による障害福祉制度・障害福祉施策を最大限に活用する視点をもち、障害福祉サービスの提供を通じてつぎの3点の実現を目指す。

  1. 障害者本人とそのご家族に向けて安心できる障害福祉サービスや関連サービスを提供し、充実した人生設計の支援をする。
  2. 全ての人が、他のために主体的能動的に社会貢献活動・感謝活動に従事し、身も心も素直に捧げる行動をとる社会づくりに寄与する一歩を踏み出し続ける。
  3. 職員が十二分に力を発揮する環境をつくり、提供するサービスが障害者のみならず、企業や地域住民になくてはならないものをめざして継続的改善を施し、持続可能性を確保・維持する。
     特に広報重視とリスク分散により制度の改変に左右されない強い企業体質を作り上げる。

 法人職員は、人間とは何か、障害とは何かを科学的に理解する力を養わなければならない。顧客が自分の持つ力を十二分に発揮(エンパワメント)して人生の希望を見つけられるよう支援する。顧客の人権を尊重し完全な環境を健全な法人経営の下に提供する。顧客の生活上すべての場面での「安心」を保証する。このことはすべて主体的な社会貢献活動・感謝活動が基盤にあってこそ実現すると信ずる。これらのことを通じて福祉社会を実現することが社会福祉法人光明会の理念である。

1 法人運営計画(この項省略)

2 法人組織の改編

3 法人の提供サービス体制の概要(この項省略)

4 法人の事業経営方針

(1)地域一番店をめざす:コーポレートブランディング

 障害者本人、そのご家族、企業そして地域住民が「あるサービス」の利用(あるいは消費)を検討するときに最初に想起する事業所・商店こそ「地域一番店」である。社会福祉法人光明会はその提供するサービスにおいて地域一番店になることをめざす。

1-1 就職支援(雇用支援)の目標は40名以上

 社会福祉法人光明会がコミット(宣言)する提供サービスの本質は、上記「品質方針」に示すとおり「顧客が働くことで自立した人生を設計する支援を常に新規開発しながら提供し続けます」である。平成17年度以降「就職するなら明朗塾から一般企業等への就職者」を指標として取り組んできている。そこで平成23年度は、企業就職40名以上(就職するなら明朗塾:22名以上、就職するなら明朗アカデミー:18名以上)を目標とする。
 平成17年度実績(9名)平成18年度実績(10名)平成19年度実績(36名)
 平成20年度実績(10名・その他センター支援による就職者は27名)
 平成21年度実績(5名・その他センター支援による就職者は100名)
 平成22年度実績(塾24名・アカデミー18名・その他センター支援による就職者は71名)
 障害者本人・家族・企業・地域(見込み客)に就職への取り組みを伝える「しかけ」づくりが重要である。社会福祉法人光明会がコミットしている「顧客が働くことで……」の支援の実効を伝えていく努
力を怠ってはならない。このことが就労意欲喚起に通じるからである。
 「しかけ」の中身は本人・家族・企業への情報提供の手厚さである。ジョブコーチ、企業支援員、法定雇用率達成支援員が就労支援の前線に立つことになるが、本人・家族・企業への支援は情報提供の豊富さによって評価されるものであるから、法人職員全体でジョブコーチ等の活動を支える体制であたる。
 また障害者の企業で働く姿、仕事を通じて企業組織の中でのポジション(人の役に立ち、人に認められている状態)は、施設での生活の姿から類推することは避けなければならない。未だ就職したことのない障害者の「仕事の姿」は未知であることを前提に、施設内の一部に企業と同様の環境を作り上げること(場合によっては就労継続支援事業A型や株式会社の併設)を追求する。
 さらに障害者・家族への求人情報の公開に重点を置く。そのために障害特性によって求人情報の内容を十分理解できない顧客に対して、個別対応という職員の努力が必要とされる。職員に求められているのは、求人情報をもとに適材を見つけることではなく、求人情報をできるだけ多くの方に伝え、就職へ向けた行動を引き出すことである。
 法定雇用率制度に基づき障害者雇用に取り組み模索している企業の「障害者観」「障害者の労働力観」は、福祉施設の職員の持つそれとは異なる。福祉施設と企業のそれぞれの世界が異なるのだから当然である。職員にとってもまた、目の前のほとんどの障害者の働く姿を見ていない(未就労という理由から当然ではあるが、就職によってどのような変化が本人に起こるかよくわかっていない)ということを再認識しなければならない。
 職員が適材適所という発想をすることでかえって顧客に対して「ハードル」を突きつけることになることを銘記すべきである。だから適材を見つけようという発想を捨てる。
 なお「就職するなら明朗アカデミー」においては、従来型の「作業を通じて就職を目指す」スタイルから脱却して、新たな就職支援カリキュラムを開発・提供する。公文式学習や各種講座、実効性の高い企業見学等を通じて就労意欲の喚起と就職機会の創出を目指す。資格取得プログラムの提供を開発する。
 また、就職により地域移行が進み、施設入所から地域生活(グループホーム)へ移行する利用契約者が増加するので、バックアップ施設と連関させつつグループホーム(現在共同生活住居7ヵ所・定員24名)の増設を進める。

就職するなら明朗塾の障害者就職支援の着眼点

  1. ジョブマッチングの手法は、入社前ではなく入社をしてから実施するものである。企業が「無理に切り出した仕事」に見合う人材を提供することではない。だから障害者を「一本釣り」しない。
    →ジョブマッチとは「適材適所」のことであり、現にいるスタッフをどのように配置すれば最適な効果が得られるかを現場ごとに検討していくことである。
    →就労支援者が、求人情報に合うと思われる障害者を選択してはならない。
    →実習・見学の応募希望者を広く募る。応募者にはすべて機会を提供する(公平性の担保)。
    →働く能力とは働く意欲のことである。
    →「就労支援者に気に入られることが最初の関門」とはならないようにする。『障害者就労の一番の障害は一番身近にいる支援者』となる可能性をわきまえる。
    →職員による「就職したいなら、就労支援者に頼みなさい」は禁句とする。
  2. 求人票の記載内容を鵜呑みにしない。障害者(労働者)の働く能力は千差万別でありそもそも求人票を作成した企業の担当者が「必要な労働力」を的確に表現できるとは限らない。
    →多くの障害者労働者に関する情報を提供することで、企業の求人内容が変化する。
    →求人票の内容に合わせて最適なジョブマッチングをしようとすること自体が就職への「ハードル」「障害」そのものになる。
  3. 企業に対してできるだけ多くの求職者を紹介し、企業の選択権を尊重するとともに保証する。
    →陳列量決定の法則・最低陳列量(最低陳列量を割れば商品はあっても「欠品」となる)
  4. 「施設内訓練」を実習の前提条件としない。施設職員には就職を決定する権限はないので、訓練そのものが無意味な場合がある。
    →現に障害者を雇用している企業への対応が、いつでも正しいとは限らない。
    →企業が必要としているスキルと施設職員が教えているスキルが一致するとは限らない。
  5. 職員がまず礼儀正しいビジネスマナーを身につける。
    就労支援員が歓迎されるには、障害者に関する知識・情報以外のところにポイントがある。
    支援員が企業に歓迎されて初めて雇用が実現する、と強く意識しなければならない。
    「見学」と「実習」は全く異なる → 「実習」と「就職」は全く異なる
    →施設等で生活する障害者の姿を熟知している人でも「勤務中の姿」については無知である。
    →企業にとって正しい情報を提供する。支援職員の外見
    ・身だしなみの重要性を認識する。障害者の長所発見能力を涵養する。
  6. チーム支援
    就労支援に従事する職員の人数が多ければ多いほど障害者就職の成果が上がる。とはいえ就職支援の現場では、それぞれの職員が分担を果たすだけでは成果が上がらない。お互いがカバーし合うことが大切である。特に個々の支援の仕事にはタイミングが重要だからである。そこでこの仕事の期限を守り合うのがチームワークの質の高い集団の持てる最大の力である。チームワークは意図して作らなければならない。チームワークのあるスタッフ集団が就職支援の実績を残す。

(平成23年3月17日現在)

1-2 障害者就業・生活支援センター事業と関連事業の受託
      ……就職者の目標100名以上

 平成20年4月から事業受託した「障害者就業・生活支援センター 就職するなら明朗塾」事業による就職者数の目標を100名以上(うち40名は当法人施設利用者)とする。職業準備訓練のあっせん及び職場実習の実施件数の目標は50件以上とする。支援対象障害者数(登録者数)の目標は100(累計700)名以上とする。支援対象事業所数の目標は150社以上とする。相談・支援件数の目標は20,000件以上とする。

 障害者の雇用を進める上では、就職や職場適応など就業面の支援ばかりでなく、生活習慣の形成や日常生活の管理など生活支援も重要であり、身近な地域で、就業面及び生活面で一体的かつ総合的な支援を提供することが必要である。このため、職場不適応により離職した者や離職のおそれがある在職者など、就職や職場への定着が困難な障害者に対し、障害者雇用企業が主体的に就業及びこれに伴う日常生活、社会生活上の支援に取り組むことが出来るように関わることにより、障害者の職業生活における自立を図る。

 センター事業所は佐倉市に設置しているが、ハローワーク成田との連携をさらに強めていくために、平成21年7月法人独自事業として成田市健康福祉館内にもサテライト事業所を設置した。

 また平成20年度から継続している企業支援員事業(千葉県)を引き続き受託する。平成21年9月 から開始された法定雇用率未達成企業支援事業(千葉県)を引き続き受託する。平成21年10月から開始された障がい者施設就労活動支援員設置事業(成田市)を引き続き受託する。

 障害者の就職支援はいわば「入口」の支援であるが、障害者雇用の実績(実雇用率)調査によれば就職支援は困難なことではない。むしろ定着支援が重要であり、十分な成果が見られていない。有効な定着支援の手法は未開拓でありいまだ存在しないと考えて、従来の支援方法にとらわれない方法を開発する。定着支援については「アクティブサポート」(言われてから慌てて対応するのではなく主体的能動的な計画支援)体制を継続的に改善する。

 特に企業との信頼関係構築のために、営業ツールを開発する。企業訪問は職員にとって「ストレス」と認識し、その対策ツール(手紙→電話→訪問→再訪問(繰り返し)→信頼構築→紹介)を開発する。

1-3 八街市相談支援事業の受託……八街市地域自立支援協議会の運営

 平成19年1月から八街市の相談支援事業を受託している。この中で地域自立支援協議会の運営業務を受託したので、この協議会の設置意義を地域に不足している社会資源の開拓、特に将来の相談支援事業を担う若い人材育成のしくみ作りに位置づけ、当事者団体、福祉サービス事業所、行政機関、教育機関、企業などから100名規模のネットワークを目指す。平成20年度から「おとな部会」「子ども部会」「就職部会」の活動がそれぞれ組織できたので平成23年度はこの活動による一定の成果を発信する。

 また障害者自立支援法の見直しにより、サービス利用計画書作成業務が拡大するのでそれへの対応を進める。

1-4 福祉の支援を必要とする矯正施設等を退所した障害者の地域生活移行支援と
     法人グループ企業としての重度障害者多数雇用事業所の設置運営

 矯正施設等を退所した障害者が、社会生活を送る上で多くの困難を抱えているにもかかわらず社会生活に対応していくための福祉の支援が不十分であることから、厚生労働省と法務省が一体となって標記事業を進めている。千葉県では平成22年10月に定着支援センター事業を「生活サポート千葉」に運営委託し開始した。

 社会生活に対応するための支援の中でも就職支援(経済的収入の確保の支援)が重要であり、このための支援は「障害者就業・生活支援センター事業」で獲得したノウハウを多く活用できる。平成23年度以降は、「生活サポート千葉」へ協力することと併せて、法人独自で、就職に困難を来している方々(障害者に限らない)への支援を民間企業との協業を視野に入れた「重度障害者多数雇用事業所」の設置を目指す。この事業所は株式会社組織となるため社会福祉法人光明会のグループ企業と位置づけることとなる。

1-5 企業支援の新サービスの開発する

 地域の民間企業を当法人のステークホルダー(利害関係者)と位置づけ、企業へ提供するサービスによって収益を計る。企業に対しては、後戻りできる安心感や、対応に困ったときの具体的な支援メニューから得られる安心感を「サービス」として提供(販売)していく。このサービス提供が障害者の定着支援であると、認識する。

1-6 ISO9001自己適合宣言事業所として新段階へ脱皮する

 福祉サービスの品質保証のための改善の仕組みを有効に機能させ続けることは重要であるが、ややもすれば欠点を発見し続ける所作に陥りがちになる。継続的改善とは、すなわち発展であり、決して現状維持のための取り組みにとどまるものではない。

同じ改善策であっても「原因をさぐる」ことと「再発防止策をたてる」ことは似て非なるものである。「どうして失敗したのか」という思考と「再発させないためにどうするか」という思考とでは、その後に続く行動に大きな差が生じる。

 そこで、修正すべき点の原因を探ることから出発して新段階へ脱皮するために戦略推進本部においてISOを活用して組織を活性化する方策の検討をする。併せて認証機関によるISO9001規格の認証は平成20年12月19日をもって登録返上して、自己適合宣言をしたので、戦略推進会議が所管して、あらたな継続的改善のためのしくみを検討、導入する。

1-7 セカンドオピニオンの保証で個別支援計画の継続的改善をする

 平成20年度障害者自立支援調査研究プロジェクトを事業受託し、就職支援に関するサービスととくに「セカンドオピニオン」の概念を導入した調査事業を完了した。平成23年度もこの調査結果をもとに改善された個別支援計画の作成プロセスを展開する。  また、社会福祉法第82条に基づく福祉サービスの苦情解決のしくみの一つとして「施設単独型オンブズパースン事業」を実施する(平成22年4月から継続)。

1-8 経営の多角化とリスクヘッジ

 障害者自立支援法廃止とその後の障がい者総合福祉法による福祉施策の枠組みの変革(パラダイムシフト)は当法人にとってチャンスであり強い企業体質への転換の契機であると位置づける。平成22年度からは「工賃アップ」にとり組み、従来との大幅な方針転換としたが、平成23年度からは、福祉施設で働く労働者の権利保障が障害者権利条約の批准に向けた国内各法整備に合わせて見直されることに対応を継続するものの、社会貢献活動・感謝活動こそが、全ての法人活動の基盤であるべきという判断に基づき整理し直す。

 障害者自立支援特別対策による施設収入の9割保証が平成21年4月以降も延長されることとなったが、引き続きサービス情報の告知(宣伝・広告)を進めて利用契約者確保を進める。

 就職するなら明朗塾の就労支援事業、就労継続支援事業B型の月平均利用率95%以上を達成する。施設入所支援事業と共同生活援助(グループホーム)事業の月平均利用率95%以上を達成する。就職するなら明朗アカデミーの就労移行支援事業の月平均利用率は90%以上を達成する。さらに平成23年度中に定員を10名増加する。

 但し、利用率の目標達成のためとはいえ、顧客要求事項の明確化やそのレビューを怠ってはならない。暫定支給決定期間を活用するなどして本人・家族の就職に向けた姿勢を確認するシステムを構築する。

 また、障害福祉サービス事業所(就労移行支援事業・就労継続支援事業B型)の増設については、他の就労移行支援事業所(民間企業を含む)との連携や、指定管理制度の活用を視野に入れた柔軟な形態を含めて追求する。

 障害者自立支援法廃止後の障がい者総合福祉法施行に向けて、福祉サービス制度全般の改訂が予想される。この新制度については、利用契約者への説明等を含めて諸準備を遺漏なく進めていく。

 法人で企画運営する各種イベントについては、利用者確保を第一義に整理する。また地元八街市の街づくりに寄与することもまた追求する。

 平成23年度の宅配弁当事業は、作業場(平成20年度障害者自立支援基盤整備事業)と厨房設備機器や配達用車両(平成21年度日本財団助成)を活用して、年度上期に平日1日あたり平均320食以上(法人内部消費分を除く)を達成する。このほか八街市、山武市から高齢者配食事業の受託と特製弁当の受注と「八街わらの里」(生活介護施設・八街市)の昼食ケータリングの受託により月商360万円超(年間4,320万円 前年度比120%)を達成する。

 宅配弁当事業の最終目標は、平均400食超規模とし、平成23年度末までには、受注・デリバリー部 門を重度障害者多数雇用事業所の一部門として独立させる。

 仕入食品の品揃えを検討し、直営売店等での売上は日商7千円(年商210万円)超を達成する。

 「情熱」ブランド化戦略を推進し、食材の生産供給事業(ファーム(園芸加工)事業)では、微生物発酵の液肥プラント(21年度整備)を活用した「白神ジャンボ(4片のジャンボサイズにんにく)」の生産や委託栽培の「古代米(紫黒米・もち米)」を取扱い、年商400万円超を達成する。

 製菓事業、請負作業事業については経営資源の分散化にともなう効率の低下や安全性の低下を防ぐ観点と、次項に示す社会貢献活動への取組みに合わせて見直しを継続する。

 セルプ自動販売機の設置促進事業では、設置台数50台超を達成する。年間の手数料収入目標600万円超を達成する。

 このほか、微生物発酵エネルギー・堆肥製造事業の企画を推進する。またヤマト福祉財団の募集する助成事業(「福祉商品と、本当に必要とする消費者との出会いを創造するマッチング事業の調査研究」)にも取り組む。

 政府の平成19年2月の「成長力底上げ戦略」に端を発した「工賃倍増5カ年計画」にもとづいて千葉県では「工賃向上チャレンジプラン」を策定した。平成20年度、平成21年度は次世代経営者養成研修にリーダー職員各2名が参加した。社会福祉法人光明会では、就職支援に特化した福祉サービスの提供を標榜しているが、工賃倍増計画に関しては、平成20年度の平均工賃支払実績額が月額3,023円(月平均勤務時間83時間・平均時給額36円)、平成21年度は、月額3,983円(月平均勤務時間84時間・平均時給額47円)であるので、平成22年度の目標工賃額は、月額10,000円(月平均勤務時間110時間・平均時給額91円)とした。平成23年度以降の目標工賃額は、平成22年度と同水準とする。

 昨年の経営計画にあっては、平成25年度には月額33,000円(月平均勤務時間132時間・平均時給額250円)とし千葉県の最低賃金の3分の1の水準を超えることを標榜したが、工賃アップにせよ、就職支援にせよ、社会貢献活動・感謝活動を基盤に据えなければならず、社会人として、大人として、人として大切なものは、他人(特に将来を担う世代)のために身も心も尽くすことができることに素直に感謝する行動にこそあることから、その方針を今年度変更する。

 もちろん、これらの具体的な取り組みの目標管理を確実に行い、法人経営の黒字化と事業継続性を確保すべきことは言を俟たない。

1-9 福祉サービスのおける社会貢献活動・感謝活動の取組み(※この項 山本樹まとめ)

 働くことで通常得られる金銭的な報酬に拘らず、それ以外の「感謝」や「孝行」をテーマとした働くしあわせを追求することが重要である。その働くしあわせとは、まさに社会貢献活動、つまり感謝や孝行が十分関連する。
 就労移行支援事業では、1-1項で示すとおり一般企業への就職に仕事のスキルを必要条件とはせずむしろ「働きたいという強い気持ち」と「礼儀正しいビジネスマナー」を重視している。
 つまり働きたいという気持ちの尺度は「ビジネスマナーの習得にどれだけ懸命に取り組んでいるか」にある。社会貢献活動はいわば「社会人としてのマナー」に当てはまる。例えば、AさんとBさんがそれぞれ同じ会社の採用面接に行く途中、道にゴミが落ちていたとする。Aさんはゴミを拾う、Bさんは拾わないとする。実際の採否にはゴミを拾うかどうかは関係ないが、企業はどちらの人物を採用すべきなのか。Aさんを採用すべきである。実際に多くの採用担当者は同じ答えを出す。
 このように、就労移行支援事業の利用顧客にとって就職するために習得すべき社会人のマナーとは社会貢献活動そのものとなる。社会貢献活動をすることで就職率や定着率が向上する。
 一般企業に就職するためのビジネスマナー研修の他にも履歴書作成、面接の練習、SST(社会生活技能訓練)、PC操作技能訓練、交通ルール、健康維持、服薬管理、消費者教育など生活リズムを維持する上で必要な科目の座学の提供、ハローワークでの求職登録、求職活動、企業見学、公共交通機関を使っての通勤経路調査及び確認などのフィールドワークを実施するが、後述する就労継続支援事業B型と一体に施設外での社会貢献活動・感謝活動も併せて行う。
 就労継続支援事業B型の活動は社会貢献活動を中心に行う。施設内での社会貢献作業(今までの作業と変わらないが、収益を主たる目的とせず、感謝することを目的に変更)と、施設外での社会貢献活動とを行う。B型の利用顧客は製菓事業とファーム事業に所属する。そこで、生産された商品(野菜・果物・花・菓子など)は基本的に地域の在宅高齢者、福祉施設、小中学校、幼稚園、保育園、民間企業、被災地や避難所の要援護者などに無償提供する。
 例えば、ファーム事業で生産した「花」をサンキューフラワーと呼び、在宅高齢者に定期的に届け、安否確認やコミュニケーションを図る(この活動は、地域包括支援センターやケアマネ事業所、相談支援事業所と連携して行う)。これらに関わる材料費などの回収は、定期的に感謝祭(仮称)の開催や地域イベント参加で商品を販売する(もしくは民間企業とコラボレーションするなど)。
このようにB型の利用顧客が生産した物を直接届け、いろいろな方と出会い「ありがとう」を届ける(感謝をいただくのではなく、生産物を届けられることに感謝する、ことが重要なポイント)。そして、また別の社会貢献活動(働くしあわせ)へとつながる。その他施設周辺のゴミ拾いやファーム事業で育てた花を植える活動、小学生の通学時間に合わせた防犯啓発活動など地域の社会貢献活動にも積極的に参加する。

1-10 コーポレートブランディング方針を明確にして日本一の地位を発信する

 コーポレートブランディングとは、企業として地域からの期待を作り上げることである。社会福祉法人光明会は「地域密着度No.1」を目指し、地元八街市の街づくりの中核的役割を果たす。開所記念日8月1日に開催する「明朗塾夏まつり」は毎年4千名を超える市民が楽しめるイベントに成長した。また敷地周辺に桜を植樹し、数年後には八街市内一番の桜の名所づくりを目指している。
 CSR(企業の社会的責任)は、企業活動の中核的な位置づけにシフトしつつある。多くの場合、社会福祉法人は、民間営利企業のCSRの発露先と見なされているが、当法人は、自らのCSRとして地域作り、コミュニティづくりに積極的にとり組む。地元中小零細企業への支援や協働もまた地域に根ざす社会福祉法人として当然の役割として強く意識する。そのため法人組織内に「社会貢献部」を創設し、人として果たさなければならない使命の一環として、社会貢献活動・感謝活動を明確に位置づけ、顧客・職員が人として同じ立場で自主的に取り組む環境を作り上げる。そしてこの活動が独善的にならないよう多くの地元企業をはじめとする志をともにする団体・個人と連携する。
 3月11日に発生した「東北・関東大震災」の復旧・復興への関わりについても「自分ができることは何か」「自分ができることを全て成し遂げているか」を旨に取り組む。援助する、されるの関係ではなく復興する人々を同じ人として支えることを旨に取り組む。
 地域に暮らす人々・消費者にとって「いい企業であるかどうか」が商品・サービスを見分ける尺度になりつつある。単に障害福祉サービスの質の向上を目指すだけでなく、地域社会への寄与を目指す姿勢こそがこれからの社会福祉法人に求められているのである。

(2)最高の職員の力が見える施設へ……安心できるサービス提供のために

 社会福祉法人光明会における職員の力とは「自発的」「能動的」に仕事に取り組む力を意味する。一人ひとりの施設職員の顔がわかり、それぞれの得意分野や仕事にかける気概を広報紙、ホームページやブログ等で情報発信して明確にする。サービスを利用(消費)するお客様が、職員を直接名指しでそのサービス提供の依頼をすることができる施設、礼儀正しく責任感のある職員が正当に評価され多くのお客様に感謝され、またその職員がお客様を心から感謝するしくみがある施設、社会福祉法人光明会は、最高の職員の力が見える施設経営を目指す。

2-1 学ぶ姿……専門性による障害者権利擁護の担保

 すべての職員に、年2回の研究レポートへの取り組みを奨励する。最高のサービスを受けた者だけが分かる最高のサービスの境地を学ぶ(研究レポートはその一つの方法である)姿が当法人職員の姿である。優秀な研究レポートは「明朗塾研究研修会」での発表や、ホームページ掲載という栄誉ある機会が与えられる。またさまざまな外部研修や内部研修を受講する機会が与えられる。
 学びは自発的になされるべきであり、仕事もまた自発的・能動的な取り組み(行動)によって、福祉サービスの品質に影響のある職務に従事する職員に必要な力量が修得される。
 障害とその支援に関して科学的な理解を修得し、それによって得られた知見に基づき試行錯誤を実践する姿勢が欠如すると、不十分・不適切な顧客対応を引き起こし、その結果、障害者への権利侵害を生む。障害福祉施設職員として日常的な学びの姿勢と、仲間の職員の学びを尊敬し賞賛する姿勢が当法人の職員のあるべき姿である。

2-2 笑顔ミッション……効果的評価の実践

 職員のサービス提供業務に対する姿勢のポリシーは『対応の原点として「やさしさ」と「緊張感」をもつ。障害者支援という専門サービスを担う社会福祉法人光明会は、顧客(障害者)の権利擁護を使命とする。(2005年度明朗塾運営方針)』である。自分にしてほしいことをサービスし、自分がしてほしくないと思うサービス(これはサービスとは呼べないが)は決してしない。そして「顧客の家族」「支援専門職としての仲間や後輩、上司」「自分の家族」に胸を張って見せられるような礼儀正しいサービス対応を行う。
 また年間業務の節目・ターニングポイントを大切にして、職員のモチベーション維持を図る。
 就業規則の見直しを引き続き行う。

2-3 助け合う姿……情報共有

 職員同士が互いにその長所を認め合い、発見し続ける姿勢があってはじめて障害者の多様で幅の広い長所を見出し引き出すことはできるのであるから、職員が助け合う姿こそ、社会福祉法人光明会の社風である。
 職員が、仕事中に不満を口にしない。不満を周囲の職員の耳に入れることのマイナスを理解する。同時に自分にとってのマイナス情報を他人から強制的に耳に入れられることを極力避ける。仕事の不平不満(多くの場合、具体的には他人批判という形で現れる)を発言する仲間に対しては「何か手伝えることはありますか」と手をさしのべる。
 戦略推進会議(月例のリーダー会議)で法人内各部署のプロジェクトの進捗状況確認や目標管理を行う。またすべての職員が、法人全体の状況を理解するために戦略推進会議での協議を元に月刊の「ニュースレター」を発行する。

2-4 ありがとうタイム……社会貢献活動における教育(※この項 山本樹まとめ)

 社会貢献活動における教育は、全職員が決められた時間(朝の30分をイメージ)に必ず掃除やゴミ拾いをする。現在、掃除をハッピータイムと呼んでいるが「ありがとうタイム」と呼ぶ。これは、法人職員が社会貢献するにあたり「社会貢献をさせていただきありがとうございます」という気持ちを込めて行うためである。この掃除やゴミ拾いは法人職員としての義務であり、理事長や常務理事でさえも免れない。全職員を実名の写真付きで担当を公表し、責任感を持たせる。作業後のチェックは理事長や常務理事が中心に行う。「きれいなトイレだからきれいに使うのではなく、きれいに掃除をするからきれいに使う」という考えに基づく。ゴミ拾いも同じように「捨てない教育より拾う教育できれいにする」という考えに基づく。これらのことに率先して取り組むことで職員に品格や道徳観が生まれる。

2-5 専門分野と情報発信

 個々の職員の特性・独自性を社会に発信する。そのために研究レポートの成果をホームページに掲載し、「光明会研究紀要」を隔年で発刊する。広報紙で研究研修会の案内・報告をする。職員のブログやメールマガジンを活用する。携帯電話によるインターネットアクセス時代の到来はチャンスである。
 常務理事が発行するメールマガジンを基として『施設長の資格!』が中央法規出版から平成21年3月に発行されたので、これをもとにさらに施設見学やサービス情報発信に努めていく(次巻は平成23年10月刊行予定)。
 顧客と職員とが互いに評価・感謝できるようなしくみを構築する。10万人規模の福祉スタッフの全国ネットワーク組織化を追求する。多くのネットワークは告発型で、かつ事件・事故の情報を共有している。「このようなことはあってはならない」「これでいいのか」という論調のネットワークではなく、感動と情熱を共有できるネットワークを目指す。ダイバーシティマネジメント(人の多様性を尊重・評価する経営)の力の修得をすべての職員に求めていく。
 職員のアウトプットは、インプットの量に比例するので、職員による情報発信(アウトプット)を求める上で、情報のインプットの機会を保証する。書籍購入費の補助、推奨資格の取得費用の一部補助を継続する。
 社会福祉法人光明会の職員が組織するNPO法人ユニバーサル研究センターとの連携を図る。研究センターは、余暇支援を含む広範な福祉関連サービスの充実(プラスワンサービスの新規開発とリニューアル、施設単独型オンブズパースン事業の開始、セミナー事業の開発と実施)を進める。

2-6 サービスインターフェースの改善……顧客おもてなしの推進

 お客様の喜びの声を集める。お客様がどのような状況で感動するかをお客様とともに共有することが大切である。顧客満足度アンケートでお客様の喜びの声を集約し、それをまた発信していくことで喜びの輪を広げつつ利用顧客を拡大していく。福祉サービスの拠点として、平成23年末までに150名規模以上への定員枠拡大を目指す。平成24年度末までに170名、平成25年度末までに200名規模以上への定員枠拡大を目指す。
 従来「保護者会・保護者説明会」として開催してきたが平成19年度以降『ファン感謝デー』として開催してきた。社会福祉法人光明会のサービスを日頃から利用している障害者本人・ご家族はファンである。ファンであるからこそ自らそのサービスを利用し続けたいと心から願い続けている。ファン感謝デーを開催して、当法人のお客様へ対する思いを目に見える形にする。
毎朝の職員ミーティング(笑顔ミーティング)では、倫理規程を唱和する。

 「就職するなら明朗塾(アカデミー)の職員は、3つの目を意識しよう。

  今の私の対応と、顔つきを見せられるだろうか?

  1. お客様の家族に。
  2. 支援専門職としての仲間や後輩、上司に。
  3. 私自身の家族に。

 日本一の心優しいサービス精神で、最高の笑顔を届けるのが私たちの仕事です。」

 職員ミーティングが外部からの視察を受けられる状態になることを目指す。笑顔を届けるのが仕事であるから、他人に好感を与える身だしなみとマナーを職員が確実に獲得できるよう取り組む。身だしなみについては『ディズニールック』(東京ディズニーリゾートですべてのキャストに求められている身だしなみのルール)にならい「めいろうルック」を規定する。

(3)脳にグッドニュースを届けよう

 無意識領域(潜在意識)にどのような情報を届け、どのような指令を発するかによって人間の行動は決まる。感動を周囲に伝えるための情熱をもち、その情熱の炎を燃やし続けるには、日々の小さな行動に取り組み続けなければならない。そのために脳にグッドニュースを届けよう。

3-1 潜在意識とうまくつきあおう(※項目名のみ)

3-2 目標を目に見える形にしよう……自分ケアプランの活用(※項目名のみ)

3-3 自分に正直に、自分を変える

 自分の心に原始的に発生した「人としての優しさ」が自発的・能動的サービスの原点である。しかしながらその自分の思いに自ら背いてしまうことで人は現状の自分を肯定し、他者を批判するようになる。自分の原初の思いに正直に、その思いにしたがって行動し自分を変える勇気を大切にできるように本法人は職場環境を整える。

3-5 感動サービスを共有しよう(※項目名のみ)

3-6 社会貢献はなぜ必要か(抜粋)

 昨平成22年大手サラ金会社Tが倒産した。業界一位の会社だったが、倒産してみれば世間の目は厳しい。
 本来金融を生業とする「銀行」に相手にされない消費者が経済社会で生きていく上で不可欠とも言えるサービスには一定の存在価値がある。もちろん違法な(あるいはグレーゾーンの)金利で稼ぐことや、度を超した取り立てをすることは社会問題だが、一部の消費者にとってはなくてはならないものとなっていたことは事実である。
 倒産したこの会社の社員も業界一位であるからには寝食を忘れて仕事に邁進していたことであろう。自分の仕事にその意義を見出していたことであろう。しかし大きな社会問題となりいくつかの法改正を経て過払い金(利息)返還請求が可能になり、会社の経営そのものが成り立って行かなくなったとき、その社員が手にする社会からの評価は本当に厳しい。銀行から相手にされず生活苦に追い込まれた消費者からの援護さえ受けることもできなかった。
 一方、私たち福祉関係者はいったい世間からどのような評価を得ているだろうか。
 障害者、高齢者に不可欠なサービスを提供していることに間違いはない。確固とした存在意義は誰もが認める。職員が強い誇りを感じられる職場は多く存在している。この分野の先人の業績を垣間見れば、茨の道ともいえる事業を遂行し続けた高邁な意思に誰もが頭を垂れる。障害者、高齢者 の人権や尊厳の確保するために、我が国の制度改革に向けて身を投じてきたその姿勢からは、人間としての信じられないほどの強さや、過去現在未来に続く歴史の進化や共につながる人々への強い信頼感などを感じることも容易にできる。
 自分の仕事の受け手である人(消費者)を人間として見てきたかどうかの点において、消費者金融業界の人々とは格段の差がある。しかし、たとえそうであったとしても、自分の仕事(業務)に一意専心で取り組んできた点において変わりはない。自分の業務においていかに愛情を込めて情熱を込めて働いたとしてもそれだけでは、自分のお給料のため、自分の会社の持続性のためといわれてしまうのである。
 福祉業界に身を置くと、この業界はとても厳しいと感じる。しかし福祉業界以外が安泰かといえばそうではない。自殺者が年間3万人を超える日本の社会において、福祉業界の経営者が経営に行き詰まり自殺したというニュースはほとんど聞かない。もしこの国の財政が破綻して社会保障費支出が滞り、そのときに路頭に迷った福祉業界の人々に対して、世間から「障害者、高齢者を食い物にしてきたのだから当然だ」という目が向けられないという保障はない。むしろそのように見られると考えるべきなのである。制度が悪いからという言い訳は決して通用しない。消費者金融界でもそのように言い訳をしてきたからである。
 いま私たちは、「障害者、高齢者のために」を掲げているだけでは不十分なのである。自分の業務においていかに愛情を込めて情熱を込めて働いたとしてもそれだけでは、自分のお給料のため、自分の会社の持続性のためといわれてしまうのである。
 私たちは、人として、大人として、社会人として果たさなければならない義務は何なのかを問い直さなければならない。自分のお給料のためではないこと、自分の会社の持続性のためではないことにも目を向けなければならない。本業において誰にも負けない業績を上げることを超えたところにあるもの、それを「社会貢献」というならば、社会貢献を自分の本業以外においても積み重ねることが必要なのである。

(文責 常務理事 CEO 内藤 晃)